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ガチムチの六尺兄貴のガイドライン 6尺目

913 :水先案名無い人:2006/10/01(日) 06:15:31 ID:nRIWTZF00
「一発撃つべかぁ」
野良着を脱ぎ捨てると、よく乾燥したよれよれの火縄を整えた。土間に立ち股を開く。
既に火縄に火を点け、俺の銃は俺の引き金を待つ。
身体を伏せて集中すると、銃口を持ち上げて、照星がそこにあった。
「俺の母親の仇討ちだぜ」声に出していう。
「男はやっぱ仇討ち」
やおら納戸の脇から、ズルムケ状態の仇が現れる、両手に鰻をたっぷり持ち、逆手で逃げ出す鰻を抑え付ける、
「ヌリュッ、ヌチョッ」音が俺の仇討ち中枢を更に刺激する。
「仇討ちたまんねぇ」目標に合わせて、銃口を上下させる。
「男の仇討ちにゃあこれだよ」ラッシュを吸い込む。
「スッ、スッ、スッ、スッ」顔から熱くなり、やがて頭の中が真っ白になる。
「おっかあ、おっかあ」「おっかあの仇討ち」
頃合いをみて消えそうな火縄に息を吹きかける。俺は自分のこの格好が好きだ。
火薬の臭いだけが土間に残り、仇の山吹色の後頭部に、狙い定めて、汗をぬぐい、また狙いを定めなおし、右腕でしっかりと銃を抱える。
土間の中の俺は、日本一の孝行息子になっていた。
「ちきしょう誰かに見せてやりてぇべ」発射の瞬間が近付くと、いつもそう思った。ラッシュをもう一度効かせ、集中すると、男へ向かってまっしぐらだ。
「男になるべ」「仇討ち一本のほんまもんの男」
「うりゃ、そりゃ」「ズリュッ、ブチュッ」しぶきを飛ばしながら、クライマックスをめざす。
「たまんねぇよ」心の奥から、激しい憎しみの気持ちが起こった。やがて雑念となり、俺を悩ます。
-そういえばここんとこ山のいたずらぎつねのやつおとなしいべ- -おっかあが死んでからというもの山の幸や川の魚を届けてくれるのは誰だべ-どうでもいいことを思いつつも、俺の指が引き金にかかる。
「きたっ」俺は歯を食いしばり、反動に備える。奔流は堰を切ろうとしていた。
「男一匹 ! 」「ズドンッ!」
弾丸が仇を貫き、赤い血がぶちまけられる。
そしていたずらぎつねが持ってきた鰻の意味を悟り、目の前が現実に戻る。

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